オーディンの箴言

 

Hovamol/オーディンの箴言(2016/12/18翻訳作業終了)

  1. 中に入る前に、全てのドアを見よ、振り返り周りを見よ。何故ならばどの席に敵が座しているか分からぬから。
  2. 与える者を褒めよ!客がやってきた。その者はどこに座せば良い? 剣を持った素早き者は不意を突き己が力を見せる事だろう。
  3. 膝を凍えさせた、その者は火が必要だ。食物と衣服を与えよ。その者は山を越えてきた。
  4. 水とナプキンと招待が必要だ。宴に訪れる者は。評判を受けた者は、再び誘われる事だろう。賢く正しく振る舞えよ。
  5. 遠くを旅する者には知恵がいる。家では苦労が無い。知恵無き者が知恵有る者と同席すれば笑われる事だろう。
  6. 己れの知恵を自慢するな。それは胸の内にしまうが良い。静かで賢い者は家に招かれた時に災いを受ける事は無い。良識よりも信頼できる友はいないのだから。
  7. 招かれた賢い客は、静かに注意深く座する。その耳は周りを聞き、その眼は周りを見る、これは全ての賢人が振る舞う事だ。
  8. 己の手で勝ち取れる者は幸せだ。賞賛と好意を得る者は。他人の胸の内に秘めた知恵を借りるのは信用できない。
  9. 生きている内に持つものは幸せだ。知恵と賞賛を得る者は。他人の心からは悪しき忠告が出る。
  10. 良識が最も勝る、持たざる者の旅路の荷物は。使いみちの分からぬ知恵よりも。それは、みじめな者を守るものだ。
  11. 良識が最も勝る、持たざる者の旅路の荷物は。飲みすぎた麦酒よりも悪い食料を持つな。
  12. 麦酒は悪い、人の子が思うよりも。人が飲んだ分だけ知恵が溢れる。
  13. 忘却の鳥は盗む、麦酒を飲んだ物の良識を。グンロス1)Gunnloth-巨人スットゥングの娘
    青鷺に化けたオーディンによって酒を盗まれた
    の館で私も青鷺の羽に縛られた事がある。
  14. 私は呑んだ、呑んだくれた、フジャール2)Fjalar-賢者巨人スットゥングの別名と共にいた時に。家に帰る頃に良識が戻る酒が一番良い酒なのだ。
  15. 賢く静かでなければならぬ、王の子は。戦では勇敢でなければならぬ。死が訪れるその時まで勇敢で誇らく生きるべきだ。
  16. 愚か者は己が永遠に生きると思う、戦に出なければ。例え槍が命を奪わなくとも、老い行く年が命を奪う事だろう。
  17. 愚か者は宴では口を開ける、ブツブツと小言を言う、でなければ静かだ。しかし酒を飲めば、その良識に見合う者となるだろう。
  18. 広く旅をした者は、その良識によって導かれた。数多くの場所に旅しただけの価値が、その知識にある。
  19. 酒坏を持ち続けるな、適切に呑め。必要な時に喋るか静かにしろ。早く床につく者を無礼と思う者はいない。
  20. 良識が漠然としている者は、強欲である。病になるまで食べ続ける事だろう。強欲者が賢き者とともに居ると、その腹を笑う事だろう。
  21. 家畜はいつ家に帰るべきかを知っている、草地から。しかし、愚か者は自分の腹の限界を知らぬ。
  22. 下らなく良識が貧しい者は、全てを嘲笑う。彼は何も知らない事を、彼は知るべきだ。彼は自分の欠点から逃げる事はできない。
  23. 知恵無き者は夜も起きている。たくさんの事を考えているからだ。朝が訪れた時には疲れ果て、その不安は変わらない、気をつけろ。
  24. 知恵無き者は自分を笑う者を友と思い込む。賢い者と共に座っている時に、自分が馬鹿されている事にすら気づかない。
  25. 知恵無き者は自分を笑う者を友と思い込む。しかし、協議の時に彼は真実を知るだろう。彼等が悪意を持って自分に語っている事を。
  26. 知恵無き者は全てを知っていると思い込む。彼が座している時に、人々が問うと、彼の知恵の中で答える事はできない。
  27. 知恵無き者は静かでいるのが一番だ。人々が集まっている時に、自分が無知である事を知られる事は無いだろう、多くを語らなければ。語りすぎれば、己の無知を晒す事になる。
  28. 賢い者は良い質問ができ、良く答える事ができる。そのような者は人の子らに起こる事を隠す事はできない。
  29. お喋りで黙る事のできない者は信頼を得る事はできない。黙る事を知らないその口は己に災いをもたらす事だろう。
  30. 人を馬鹿にしてはならぬ。宴に招かれた時でもだ。自分が賢いと思いこんでいる者には誰も話しかける事は無いし人に襲われる事すら無いだろう。
  31. 立ち去る客は賢い客だ、他の客を馬鹿にする客から。人を馬鹿にする客は敵と食事を交わしている事を知らない。
  32. 多くの者は友人だ、宴の席では友人を馬鹿にする。客は他の客と敵対するものだ、これが人の常である。
  33. 食事は早く取るべきである、友の元へ向かうわけでは無いのであれば。腹をすかし、飢えた状態で座しては小言も語れん。
  34. 敵への道は長く曲がりくねっている。その者の家は高き所にある。されど友人の元への道は広く真っ直ぐ進むだけで良い。
  35. 客として長く留まるな、早々に帰るが良い。他者の家に長く留まりすぎると疎まれる事になる。
  36. 自分の家は素晴らしい、誰もが自分の家では主になれる。番のヤギと屋根があるのは、乞食でいるようにずっと良い。
  37. 自分の家は素晴らしい、誰もが自分の家では主になれる。食事の度に恵んで貰わなければいけない者は心から血が吹き出る思いを感じている事だろう。
  38. 野に出たら、得物3)日本語で言う、武器の意からより一歩も離れるな。いつ何時、槍が必要になる時がくるのは分からない。
  39. 金を惜しむべきでは無い、金を手に入れた者は。友と同じように敵に施すのであれば、期待はずれになるものだ。
  40. 私は見たことが無い、食料や贈り物を断る者を。富を分けた者が憎しみによる報復を受ける者も見た事は無い。
  41. 友は互いを喜ばすべきだ、武器や衣服を送って見て分かるように。送り合う友は一番関係が長持ちする。送り合う事ができている限りは。
  42. 友達は友達として、贈り物には贈り物を、嘲りには嘲りを送れ、嘘には嘘で返すが良い。
  43. 友達には友達として、友達の友はお前の友だ。だが、敵の友にはなるな。
  44. 知るが良い、お前が友を持つのであれば、その者を信頼できるのであれば、そしてその者から何かを期待しているのであれば。良識を持って送り合い、歓迎し、より会わなければならない。
  45. もしお前が信用できない者から、良いものを期待しているのであれば。彼等を褒めて心を欺き、綺麗事を言うが良い。
  46. 信頼できない者や知らぬ者でもそうだ。笑いかけろ、思っていない事を話せ、同じような贈り物を送るが良い。
  47. 昔は私も若かった、私は一人で旅をしていて道に迷った。他の者と会った時、私は豊かになったと思えた。人は人の喜びなのだ。
  48. 悲しむ事は無い、勇敢で高貴な人生を歩む者は。臆病者は全てに畏怖を抱き、贈り物を快く贈る事ができぬ。
  49. 私は衣服を着せた、野に立つ二つの木像に。服を着せた木像は英雄に見えたが、裸の木像はみすぼらしいだけだった
  50. 木が枯れた、丘の上にあった。樹皮や葉はそれを守る事は無い。それは誰にも愛されない男と同じ。彼が生きる意味なんぞあるのか?
  51. 友ではない者との友情は火よりも熱く五日燃える。六日目にはその火は消え、関係が悪くなる。
  52. 豪華な贈り物は必要では無い、ほんの僅かで構わない。パン半塊と半分の酒杯で私は友を作れた。
  53. 小さい海には小さな砂浜、人の良識もまた小さい。全ての人間は同じ良識を持っておらず、全ての者は不完全な賢人である。
  54. 賢すぎてはならぬ、全ての者はほどほどに賢い程度が丁度良い。知るべきでない事を知らぬものが一番幸福なのだ。
  55. 賢すぎてはならぬ、全ての者はほどほどに賢い程度が丁度良い。あまりにも知りすぎた者は幸せを感じる事は稀だ。
  56. 賢すぎてはならぬ、全ての者はほどほどに賢い程度が丁度良い。予め自分の運命を知るべきではない、運命を知らない者は幸せだ。
  57. 火は火より生まれる、燃えたぎる木から燃え木を。人から人へ、その知識は語る事で広まる。動かざる者は愚か者だ。
  58. 他人の命や物を盗りたい者は早く起きよ。野に眠る狼は肉を取る事はできない、寝ている男は勝利を勝ち取る事ができない。
  59. 仕事を探している者よ、朝早く起きよ。働き手が足りぬのであれば。朝寝坊する者は仕事を残す、素早い者は半分富豪になれたようなものだ。
  60. 必要な分を確保せよ、乾いた枝木に、天井の為に樹皮を。一月に必要な分量を知れ、半年に必要な分量を知れ。
  61. 身体を清めて十分に食べよ、民会に行くには必要だ。服装は気にするでない、みすぼらしい靴やズボンでも恥ずかしがるでない。馬もまた同じだ。
  62. 鷲が海辺に訪れる時、口を開いて頭を下げる。人、集まる場所で代弁者を持たぬ者のようだ。
  63. 問われた質問に全て答える準備をせよ、周りから賢いと思われたいのであれば。一人に教えよ、二人に教える時は気をつけよ、三人教えれられた事は全て者に知れる。
  64. 賢明な者は力をほどほどに使うべきだ。豪胆なる者達の間に入れば、誰一人として優れた者はいないと知る事だろう。
  65. 大抵の者は他人に言った言葉からの報復を受ける事になる。
  66. 私は沢山の宴に早く付きすぎた事もある、たまに遅く付きすぎた事もある。麦酒は呑まれた後か、まだ造られていなかった。卑屈な者の数は少ない。
  67. もし私が食事時に食事を必要としていないか、親友の家にて一つの食事をしたなれば、二つの肉をぶら下げるのであれば、私は食事に招かれる事だろう。
  68. 人の子にとって火はこの上ない宝である、太陽の光は健康をもたらす。生きる事は罪に汚されない事だ。
  69. 例え健康じゃなかったとしても、完全に不幸という事は無い。一人は息子に祝福された、一人は他の親族に、一人は富に恵まれ、一人は己が使命を成し遂げた。
  70. 倒れ屍になるよりかは生きているのがずっと良い。生きた者は雌牛を捕まえられる。私は金持ちの家が燃えていて、その扉の前で金持ちが死んでいるのを見た事がある。
  71. 片足者でも馬にのれる、片腕者でも家畜番はできる、耳が聞こえなくても勇ましく戦う事ができる。焼かれるよりかは盲目の方が良い。躯は何のやくにもたたない。
  72. 息子は良い、夫が死んだ後に生まれてもだ。息子が建てないのであれば野に石碑が立つのは稀だ。
  73. 二人いれば戦いが作られる、舌は頭を殺す。私は毛皮のコートの下には人の手があるのを予想する。
  74. 食料が十分あれば夜は楽しいものだ。船の寝所は小さい。秋の夜は気難しい。一週の間に天候は常々代わり、一月の間にはもっと変わる。
  75. 人は知らぬ、自分が何も知らない事を。黄金は心を惑わす。一人は金持ちで一人は金無しだ。だからといって彼等を非難してはならない。
  76. 私は見た、フィットヤール4)Fitjar-解説
    ノルウェー、ホルダラン県に現存する、実在する地域。
    当時、貴族が所有していたと言われている。
    2016年12月4日現在
    の息子達が沢山の家畜を入れた小屋を。今、彼らは乞食の杖をついている。富は瞬きのようだ。それはうつろいやすい。
  77. 家畜が死ぬ、親族が死ぬ、お前も死ぬ。だが名声は死なぬ、お前が名声を得ていたら。
  78. 家畜が死ぬ、親族が死ぬ、お前も死ぬ。だが私は死なないものを知っている。死人の評判だ。
  79. 私はルーンによって知った。神々が偉大なるものを創り上げた、ある大詩人5)Master-Poet 解説
    オーディンの事である。
    オーディンは詩文の神としても知られている
    が描かれた事を。神々の一族が。静かなる事は一番良き事である事を知った。
  80. 愚かな男が女の愛か富を手に入れた時、その誇りは高まるが、知恵は上がらぬ、そのものは自惚れる事だろう。
  81. 昼は夕方に褒めよ、女は火葬された時に、剣は切った後に、娘は嫁いだ時に、渡った後に氷を、呑んだ後にエールを。
  82. 風が吹く時に木を切り倒せ、風が穏やかな時に船を出せ、女とは闇夜に話せ、昼は眼が多い、守りに楯を、斬撃。には剣、乙女にはキスを。
  83. 火の蕎麦で麦酒を、氷の上には雪靴を。痩せている馬を買え、剣は錆びた時に買え。馬は家の中で、犬は小屋の中で。
  84. 男は娘の誓いと女の言葉を信用するでない。彼女達の心は周り巡るものだ。移り気が胸の中にあるのだ。
  85. ひび割れた弓を、燃えさかる炎を、口を開けた狼を、鳴くカラスを、根が折れた木を、荒れる海を、煮えたぎる鍋を、
  86. 飛んできた矢を、滝を、一夜張りの氷を、とぐろを巻いた蛇を、花嫁の床での語らいを、折れた剣を、熊の群れを、王の子を、
  87. 病に伏せた仔牛を、わがままな奴隷を、親切な魔女を、殺されたばかりの戦士を6)解説
    原文訳者によると、この箇所は未完成であり、後に書かれる書籍にはこのスタンザに追加文章を入れる場合があるとの事。
    “In a light, clear sky or a laughing throng, In the howl of a dog or a harlot’s grief.”
    光照らす時を、澄んだ空を、笑う群衆を、吠える犬を、遊女の嘆きを、
  88. 兄弟殺しを、道で合った者を、半焼の家を、早すぎる馬を――足を痛めた馬は使い物にならぬ、直ぐに信用してはならない、信じてもならぬ。
  89. 早すぎる刻に収穫されたものに多くを望んではならない、息子を幼すぎる時に信じてもならぬ。作物には良い天候が必要で、息子には良識が必要だ、どちらも信用してはならぬ。
  90. 不実な女の愛はすべり止めのつけずに氷を歩くようなものだ、躾のなっていない二歳馬や舵の無い船を嵐の中で航海する事、また、足が不自由なものが滑る岩の上で鹿を狩るようなものだ。
  91. 私は男と女を知っているし、はっきりと言おう。男の女に向ける感情はうつろい。きれいな事を言って、不誠実な事を思う。賢い心もこれには壊れる。
  92. 女からの愛を長持ちさせたければ、良い言葉を言って、富を与えよ。そして、女の美貌を褒めよ。お世辞がもっとも効果的である事が知れよう。
  93. 男が他の誰かを愛した事を咎めてはならない。愚かな事をしない賢き賢者も、美女の美貌の前には瓦解するものだ。
  94. 男が他の誰かを愛した事を咎めてはならない。数多くの愛し、それを望む事を咎めてもいけない。愚かな事をしない賢き賢者も、美女の美貌の前には瓦解するものだ。
  95. 胸の思いを秘める内を知るのは心だけ、孤独を癒やすのは自分の心だけだ。喜びの無い人生は賢い者にとって一番の病だ。
  96. 私は愛人を待っている時に見つけた、葦に座して待っていた。私はその命を通して賢い娘を愛していた、されど私はその女を手にする事はできなかった。
  97. 太陽のように輝いていた、ビリングの娘をベッドの上で見た。彼女と共に生きる事ができなければ、全ての意味は無くなる。
  98. 「オーディンよ、女を勝ち取りたければ夕方にこなければならない。他の者に知られたら、二人の罪が知れましょうぞ」
  99. 私は喜び期待した、思慮も無く考えず。私はその女の計りきれない喜びを勝ち取れると信じていたのだ。
  100. 全ての起きていた戦士がいた、翌晩に私は訪れた時に。彼らの手には燃えさかる松明と剣を持って、私が通ろうとした道をあばいていた。
  101. 翌朝に再び訪れた時、皆は眠っていた。雌犬7)解説 – dog
    犬は娼婦の比喩として使われている場合があるらしい
    が美しい女の寝床に縛られているのを見た。
  102. 多くの良き女が男に誘われたのであれば、偽りの関係が現れる。私が賢い女を求め欲した時に私が学んだ事だ。浮気女からの罵詈雑言を私は浴びせられた、そして私は女を勝ち取る事はできなかった。
  103. 喜びの中、自分の家では客を迎える。人は賢明で賢くなければならない。賢明である賢者は、広い知識を求め、その言葉は正しくなければならない。愚か者は何も語れぬ、それが良識の無い者がやる事だ。
  104. 私は古き巨人を見て、戻ってきた。沈黙で得た物は少ない。私はスットゥングの館で語った、多くの言葉を、私は知識を得た。
  105. 私はラチ8)Rati – 道を開く者
    オーディンが用いたとされている螺旋状の錐(キリ)、ネジギリ。
    俗に言うドリル、アーガ―
    を使って岩を貫き穴を開け、道を開いた。だが、上も下も巨人の道に囲まれていた。私は愚かにも自らを危険に追いやってしまった。
  106. 黄金の椅子に座するグンロスは私に素晴らしい蜂蜜酒をくれた。しかし、私は彼女の勇敢な心に対して仇なす報酬を渡してしまった。彼女の心に傷をつけてしまった。
  107. 賢さに少し欠けてしまった私は、美しい女9)グンロスを指すを手に入れ素晴らしく楽しんでいた。故にオースロリール10)Othrorir – 解説
    伝説の蜂蜜酒、詩人の蜜酒と訳される
    呑んだ者には詩歌の才が与えられると伝えられる。
    は世界の者達の長11)midst of the men of earth – 解説
    オーディンを指す
    に献上される事になった。
  108. 私を腕に抱いた、優しいグンロスの助けを得る事ができなかったら。私は巨人の国から逃げおおせ、家に帰ることは到底できなかっただろう。
  109. 翌日、霜の巨人12)スットゥングの血族の巨人が訪れた。ホール13)Hor – 高き者の意。オーディンの別名が一つの言葉を聞く為に。彼等はボルヴェルク14)Bolverk – 闇の実行者の意。
    オーディンの別名が一つ、用いた偽名とも言える。
    オーディンはスットゥングとの間に誓いが設けられなかったので彼等の血族はボルヴェルクの真名を知るには至らなかった。
    オーディンは時に偽名を用いて、神々を惑わし、誓いを破いている。
    について訪ねた、彼が神の所に向かったどうかを、そして、そこでスットゥングが彼を殺めたかどうかを。
  110. 彼の者の指輪で、オーディンは誓ったと私15)解説
    オーディンの箴言はオーディンが語っている。
    故に私はオーディンを指す
    は思う。誰が彼の誓いを信じるというのか?彼は酒を求めてスットゥングを裏切らせ、グンロスを嘆かせたのだ。
  111. 今が語るべきだ、賢者の椅子で。ウルズの泉の辺りにて。私は見た、そして沈黙した、私は見て、考えた、私は人々の話を聞いた、ルーンについて聞いて学んだ、ホールの館で、ホールの館の中で、人々の語らいを聞いた。
  112. ロッドファーヴニル16)Loddfafnir – ペテン師の意
    流離いの吟遊詩人の名。
    オーディンの忠告を受けてオーディンの箴言を書き記した者とされている。
    オーディンの箴言と訳されたこれは”Hova mol”、ホールの言葉の意である。
    ! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けばお前の為になる。夜に目覚めるな、情報を求めるか、所用がない限りは。
  113. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けばお前の為になる。魔女の胸元で眠る時は気をつけよ、彼女の手足が汝の身体を縛る事をさせるでない。
  114. 彼女がお前を協議や民会に行く気を失わせる事だろう、食事も楽しみも無くなる。悲しみを胸にしてお前は眠る事になる。
  115. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けばお前の為になる。他人の妻を求めてはならない、思いを秘めてもならない。
  116. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けばお前の為になる。山やフィヨルド17)fjord – 解説
    ノルウェー語、氷河による浸食作用によって形成された入江
    Wikipediaより引用
    訳者が推測するに、恐らくは他にも氷河や水の流れを表現する言葉が数多に存在すると思われる。
    を越える時、十分な食料を携えよ。
  117. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けばお前の為になる。悪人に汝の不幸を知らせてはならない、悪人はお前の為になる事は決してしない。
  118. 私は悪しき女の言葉で傷を負った男を見た事がある。嘘つく舌が彼にトドメを刺した、それに真の言葉は無い。
  119. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けばお前の為になる。もし、信頼できる友人が近くにいるのであれば、度々訪れよ。誰も通らぬ道には藪や高草が生える。
  120. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けばお前の為になる。良き者には硬い友情が結ばれる、会話に誘い、治癒の魔法を知るのだ。
  121. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けば汝の為になる。友との絆の断ち切りをお前から始めてはならぬ。お前の思いに耳を傾ける者が側にいないのであれば、汝の心は蝕まれる。
  122. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けば汝の為になる。良識の無い猿と言葉を交えるな。
  123. 悪い男から良いものは決して受け取る事はできない。しかし良い男は賞賛の言葉と共に愛されるものだ。
  124. 人が自分の思いの全てを他者に語れば愛に結ばれる。信頼におけない者は友を持つことはできない。
  125. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けば汝の為になる。悪い男とは三つ以上の言葉を交わすな、その悪い男が剣を持っていた時、その代償を支払う事になる。
  126. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けば汝の為になる。汝は自信の為の靴や矢を作れ。靴の出来が悪く、矢が傷んでいたら、汝に災いが訪れる事だろう。
  127. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けば汝の為になる。悪人が宣言し、その悪を汝が知っているのであれば、その悪を友にするな。
  128. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けば汝の為になる。汝は悪の中でいう喜びを知るでない。善の中に喜びを見出せ。
  129. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けば汝の為になる。戦の時に上を向いてはならぬ、怒り狂った者が魔法でお前に災いをもたらす。
  130. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けば汝の為になる。汝が女の愛を勝ち取った時、女から喜びを得るのであれば、その誓いは成就した。それを得て嫌な思いをする事は無い。
  131. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けば汝の為になる。汝は用心せよ、されど用心しすぎるな、エールと他人の妻に気をつけよ。泥棒が汝に付け込むすきを与えるな。
  132. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けば汝の為になる。汝は客人と旅人を侮辱や彼等を嘲笑う真似をするな。
  133. 大抵の者は誰が家に座していて、後から訪れるかを知らぬ。誰が悪いのかなんて分かる者はいない。そして、人に価値が無いと吹聴する程、悪質なものは無い。
  134. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けば汝の為になる。白髪の語り手をバカにしてはならない、古き語り手は良い語りをするものだ。その震えた皮の下には良識が垂れ下がっている、そして皮袋18)老人の口を比喩しているから出るものだ。
  135. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けば汝の為になる。客人に悪口を吐いてはならない、汝は帰る扉を示してはならない。惨めな男にも親切をしろ。
  136. 全ての者が入り口に入るために上げなければならない木は強い。鐘を持たせよ、さもなければ悪意が汝を襲う事だろう。
  137. ロッドファーヴニル! 汝に忠告する、そして私の忠告を聞け、聞けば汝の役に立つ、聞けば汝の為になる。汝が麦酒を飲む時は大地の力を求めよ、大地は酒気を癒やし、火は病を癒やし、樫は緊張を癒やし、麦穂は魔法の呪いを癒やし、ライ麦は不和を癒やし、月は怒りを癒やし、牧草は疥癬19)疥癬―家畜の伝染病, ルーンは刃傷を癒やす。そして大地は洪水を吸いこむ。
  138. これでホールの箴言は館にて全てが語られた。人の子らの為になり、巨人の子らの為にはならない。語った者とそこから学んだ者には賞賛をあげよ! 聞いた者の為になる! 聴いたものは賞賛を!20)多くのオーディンの箴言の現代語訳では、このスタンザ節は最後に置かれている。
    翻訳参照元のヘンリー・アダムズ・ベロウズ氏の英訳文に従い、ここに記載した
  139. 私は風が吹き荒れる木に自らを吊り九つの夜を過ごした。自らで槍を貫き、私はオーディンを、私は私の為に生贄を捧げた。根の下に何が有るかわからない樹に。
  140. 何者もパンや角杯で私を喜ばせる事は無かった、そして私は下を見た。私はルーンを取り上げ、金切り声を上げながら取った。それから私は落ちた。
  141. 九つの歌21)歌―呪文、魔法を私は得た、ボルソルン22)Bolthorn-オーディンの祖父の息子, ベストラ23)Bestla-オーディンの母の父から。オースロリール24)Othrorir-器の名前でもあるようだから注がれた良きは蜜酒を私は呑んだ。
  142. 私は栄えた、そして知恵を得た、成長した。それぞれの言葉が他の言葉へと導く。それぞれの功績が他の功績に。
  143. ルーンは汝を見出すだろう、そして運命を示す。詩人の王25)King of singers – 解説
    詩人の王、オーディンの別名が一つ。
    オーディンは詩歌を司る神ともされている
    が描いたもの26)解説
    ルーンは一般的に木片で彫られ、赤色に染められていると言われている
    だ。力強き神々が創り出したものだ。力強く示し、力強く示す。それは神々の統治者27)神々の統治者―解説
    オーディンの事です
    が描いた。
  144. オーディンは神々に、ダイン28)巫女の予言に登場したドワーフの一人はエルフ達に、ドヴァーリン29)巫女の予言に登場したドワーフの一人にはドワーフ達に、アルスヴィス30)Alsvith―全てを知る者の意
    巨人である事以外は詳細不明
    は巨人達と全ての人間に、そして私31)オーディンは自分の為に描いた。
  145. どのように刻むか知っているか、どのように読むか知っているか?
    どのように染めるか知っているか、どのように試すか知っているか?
    どのように求めるか知っているか、どのように与えるか知っているか?
    どのように祈るか知っているか、どのように捧げるか知っているか?
  146. 必要以上に生贄を捧げるよりかは全く祈らない方が良い、与えられた分だけ返す程度で良い、大きすぎる生贄よりも何も無い方が良い。故にスンド32)
    スンド-Thund
    オーディンの別名が一つ
    は人の子が生まれる前にそれを刻んだ、彼が高き所から家に帰った時33)解説
    スタンザ節139ー140、落ちた後から帰ったものかと思われる
    に立ち上がった。
  147. 私は王妃が知らない、人の子も知らない歌を知っている。それは「シャルプ(手助け)34)シャルプ―hjálp
    英語で助けるを意味するHelpの語源と思われる。
    谷口氏訳では「救い」と訳されている。
    日本語で訳すより、より原文に近い形で表記する事にした。
    」と呼ばれている。それは汝から嘆きと痛みと病を癒やす。
  148. 二つ目(の歌)を私は知っている、それは薬師を目指すものに必要なものだ。
  149. 三つ目(の歌)を私は知っている、それは敵を束縛する。我が敵の刃を鈍らにし、その剣と棒は私を傷つける事は無い。
  150. 四つ目(の歌)を私は知っている、もし何者かが私に足枷をつけた時に使う。その魔法は足枷を外し、私を開放する。私の腕も自由となるだろう。
  151. 五つ目(の歌)を私は知っている、遠くから矢が我が軍勢に向かってきた時に。私の目がそれを見た時、その動きは遅くなって止まる事になる。
  152. 六つ目(の歌)を私は知っている、誰かが私を生木の根で傷つける35)生木の根で傷つける―解説
    北欧の呪い。刻んだ根を送られた相手は呪われる。
    時に。その者は自分の憎しみを受け、私よりも酷い事になるだろう。
  153. 八番目(の歌)を私は知っている、これは知る者全てにとって役に立つ。英雄達の息子達への憎しみが育った時に、それを諌める事ができる。
  154. 九番目(の歌)を私は知っている、沈みかけている船を救う時に必要だ。風を止めて波を鎮め、海を穏やかにする。
  155. 十番目(の歌)を私は知っている。魔女が高く飛ぶ時36)魔女が高く飛ぶ時―解説
    北欧では魔女は獣の姿になって屋根屋根を飛び回ると信じられていた。
    に、彼女等を行かせ、真の姿を暴き、家に戻れなくしてやろう。
  156. 十番目(の歌)を私は知っている。魔女が高く飛ぶ時に、彼女等を行かせ、真の姿を暴き、家に戻れなくしてやろう。
  157. 十一番目(の歌)を私は知っている。親友を連れて戦に行かねばならぬ時に。私は盾に唱えて力を込める、彼等は戦場に行き、彼等全員が戦場から帰ってくるだろう、そして全員が家に帰る。
  158. 十二番目(の歌)を私は知っている、首を吊った者が高い木に揺られているのを見た時に、ルーンを刻み彩りその者は語りだす。
  159. 十三番目(の歌)を私は知っている。私が若者に水をいっぱいに浴びさせた時37)若者に水をいっぱいに浴びさせた時―解説
    キリスト教伝播する前にノルウェーの習慣。
    生まれたばかりの子に水を浴びせていたそうだ。
    キリスト教の洗礼では無い。
    、その者は戦に倒れる事は無い。敵の前で、剣にて倒される事は無い。
  160. 十四番目(の歌)を私は知っている。私が人に力強き神々の名を伝える時に。私は全ての神とエルフの名を言う事ができる。これらを知る愚か者はそれほどいまい。
  161. 十五番目(の歌)を私は知っている、それはデリング38)デリング―Delling
    ノット(Not-夜の意)と結婚した神の名。息子の名前はダグ(Dag-Day,昼の意)
    がドワーフのズジョススロリール39)ズジョススロリール―Thjothrorir
    詳細不明
    へ唱えた呪文だ。神々には力を、エルフには栄光を、フロプタチュール40)
    フロプタチュール―Hroptatyr
    オーディンの別名が一つ
    には知恵の為に。
  162. 十六番目(の歌)を私は知っている、賢い娘からの喜びを勝ち取る為に。白い腕をした娘の心を私に向け、その考えを変えてやろう。
  163. 十七番目(の歌)を私は知っている。若い女が私から離れれないように。
  164. ロッドファーヴニル、お前は長い間、長い間の時間にこれらの歌を知らずに行きていた、これらはお前の役に立つ、使えば役に立つ、必要な時に使えば役に立つ。
  165. そして最後に十八番目(の歌)を私は知っている。これは女や妻にも言わない、私だけが知っているのが最も良い。私の腕に抱かれた女と私の姉妹の為に残しておこう。

References   [ + ]

1. Gunnloth-巨人スットゥングの娘
青鷺に化けたオーディンによって酒を盗まれた
2. Fjalar-賢者巨人スットゥングの別名
3. 日本語で言う、武器の意
4. Fitjar-解説
ノルウェー、ホルダラン県に現存する、実在する地域。
当時、貴族が所有していたと言われている。
2016年12月4日現在
5. Master-Poet 解説
オーディンの事である。
オーディンは詩文の神としても知られている
6. 解説
原文訳者によると、この箇所は未完成であり、後に書かれる書籍にはこのスタンザに追加文章を入れる場合があるとの事。
“In a light, clear sky or a laughing throng, In the howl of a dog or a harlot’s grief.”
光照らす時を、澄んだ空を、笑う群衆を、吠える犬を、遊女の嘆きを、
7. 解説 – dog
犬は娼婦の比喩として使われている場合があるらしい
8. Rati – 道を開く者
オーディンが用いたとされている螺旋状の錐(キリ)、ネジギリ。
俗に言うドリル、アーガ―
9. グンロスを指す
10. Othrorir – 解説
伝説の蜂蜜酒、詩人の蜜酒と訳される
呑んだ者には詩歌の才が与えられると伝えられる。
11. midst of the men of earth – 解説
オーディンを指す
12. スットゥングの血族の巨人
13. Hor – 高き者の意。オーディンの別名が一つ
14. Bolverk – 闇の実行者の意。
オーディンの別名が一つ、用いた偽名とも言える。
オーディンはスットゥングとの間に誓いが設けられなかったので彼等の血族はボルヴェルクの真名を知るには至らなかった。
オーディンは時に偽名を用いて、神々を惑わし、誓いを破いている。
15. 解説
オーディンの箴言はオーディンが語っている。
故に私はオーディンを指す
16. Loddfafnir – ペテン師の意
流離いの吟遊詩人の名。
オーディンの忠告を受けてオーディンの箴言を書き記した者とされている。
オーディンの箴言と訳されたこれは”Hova mol”、ホールの言葉の意である。
17. fjord – 解説
ノルウェー語、氷河による浸食作用によって形成された入江
Wikipediaより引用
訳者が推測するに、恐らくは他にも氷河や水の流れを表現する言葉が数多に存在すると思われる。
18. 老人の口を比喩している
19. 疥癬―家畜の伝染病
20. 多くのオーディンの箴言の現代語訳では、このスタンザ節は最後に置かれている。
翻訳参照元のヘンリー・アダムズ・ベロウズ氏の英訳文に従い、ここに記載した
21. 歌―呪文、魔法
22. Bolthorn-オーディンの祖父
23. Bestla-オーディンの母
24. Othrorir-器の名前でもあるようだ
25. King of singers – 解説
詩人の王、オーディンの別名が一つ。
オーディンは詩歌を司る神ともされている
26. 解説
ルーンは一般的に木片で彫られ、赤色に染められていると言われている
27. 神々の統治者―解説
オーディンの事です
28, 29. 巫女の予言に登場したドワーフの一人
30. Alsvith―全てを知る者の意
巨人である事以外は詳細不明
31. オーディン
32.
スンド-Thund
オーディンの別名が一つ
33. 解説
スタンザ節139ー140、落ちた後から帰ったものかと思われる
34. シャルプ―hjálp
英語で助けるを意味するHelpの語源と思われる。
谷口氏訳では「救い」と訳されている。
日本語で訳すより、より原文に近い形で表記する事にした。
35. 生木の根で傷つける―解説
北欧の呪い。刻んだ根を送られた相手は呪われる。
36. 魔女が高く飛ぶ時―解説
北欧では魔女は獣の姿になって屋根屋根を飛び回ると信じられていた。
37. 若者に水をいっぱいに浴びさせた時―解説
キリスト教伝播する前にノルウェーの習慣。
生まれたばかりの子に水を浴びせていたそうだ。
キリスト教の洗礼では無い。
38. デリング―Delling
ノット(Not-夜の意)と結婚した神の名。息子の名前はダグ(Dag-Day,昼の意)
39. ズジョススロリール―Thjothrorir
詳細不明
40.
フロプタチュール―Hroptatyr
オーディンの別名が一つ

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